松本市新市長の臥雲氏が進行役兼パネリストの座談会ジセダイトーク2020が信毎メディアガーデンで開催されたので参加してきました。今回は第二弾とのことで、議題はアウトドア。ゲストは今や入手困難と言われるほど人気で有名な松本発テント界の新星ゼインアーツ代表の小杉氏。氏は新潟から信州松本へ移住した私と同じ移住者の一人でもあります。
西は乗鞍上高地のアルプス、東は美ヶ原と日本一多くの百名山を抱える山岳都市松本。山登り好きな人にとっては今も昔も松本市が「アウトドアの聖地」であるのは変わりがないのですが、実は岳都と言われる松本の市民にとって登山はそれほど身近なものではなかったりします。もちろん登山は多くの装備と体力が必要なレジャー、スポーツであり、いくら市内から身近に見える北アルプスも実際に登るとなると標高が高く急峻。危険でハードルが高いアウトドアレジャー。対して比較的体力はそれほど必要は無い(装備品はいろいろ必要ですが)オートキャンプや管理されたキャンプ場でのテント泊やグランピングなど、コロナ禍で三密が避けられるキャンプが再び脚光を浴びています。そういうもっと敷居の低いアウトドアという意味では松本は聖地とは現状言えなかったりします。
今回、松本市長の臥雲さんが政治家の立場から、ゲストの小杉さんが自身の経験豊富な登山家とアウトドアメーカーの立場から、それぞれまず松本の魅力、ポテンシャルを引き合いに出し、アウトドアに興味ある初心者に敷居を低く広くして松本に来てもらい、そしていずれ移住定住してもらう事も含め、今松本に足りないもの、必要なものを対談形式でアイデアが出されました。後半はさらに会場やオンラインでの参加者さんからも質問や意見が出され、大好きな松本の街の将来を考える皆さんで熱い議論が交わされました。
小杉さんも自身の経験から様々なアイデアや理想が語られる中、特にアルプス公園でキャンプができるようになることが具体的な話として出されました。個人的にも現在無料で使用できる小さなキャンプ場があるお隣の芥子望主山も含め、あの辺りに充実したキャンプ場があれば良いと思います。やはり北アルプスの絶景が見られるというのが立地として最高だからです。小杉さんはりんご音楽祭も引き合いに出されていましたが、日本発で今では世界でも有名になった苗場の大規模野外音楽祭フジロック・フェスティバルも音楽だけでなく、キャンプ合っての魅力ですごい集客のあるイベント。アウトドアと音楽は今は切っても切れない関係でリンクしてます。さらに、キャンプは大自然の中で火起こしや調理など、”生きる”という人間の基本的な生活力を養う場でもあって、”教育”という面でもリンクできます。まさに松本市が掲げる三ガク都(学都・楽都・岳都)が見事に3つリンクするわけですね。
個人的にその3つのガクで、松本は一番「岳」が市の予算的にも?少ない気がします。これほど素晴らしい山と景観に恵まれているのに、駅を出ても普通の観光案内所があっても、山登りの案内所や窓口がない。駅前に登山用品店やアウトドア用品店が全く無い。岳都を標榜するにはあまりに寂しいと思っています。例えば同じ北アルプスを有する大町市は駅近くにトレイルランニングや登山などアウトドアのベース基地となるお店が大町市の将来を心配する若い人達によって開かれ、北信の飯山は駅内に大きなアウトドアショップを併設したアウトドアの案内書が設置されています。お隣の上田市はスカイランニングの団体が、里山を快速登山するスポーツを役所と一体となって活動しています。