道草日和

関西から信州松本へ移住8年目。浅間温泉♨在中。登山やジョギングで出会う風景、お花と野鳥の記録。

夕暮れのレンジャク祭り

 「今年はヒレンジャク1羽しか見てないな…」と相方と話しながらジョギングしていた今日の夕方、事件は起こりました。今日は仕事が早めに終わり、浅間温泉から芥子望主山~アルプス公園~城山公園のいつもの山坂コースを約17kmジョグ。時折吹雪いて昨日から真冬に戻ったかのような厳しい寒さ。日没が近く暗くなり、坂道を走っていてもそれほど体が温まらないほど寒さがますます厳しくなってきました。でも意外とこんな日の夕方でも野鳥との出会いはあるもので、いや、1日じっくり歩いてバードウォッチングしてた昨日より出会いがありました。走って駆け抜けていてもベニマシコ♂、ジョウビタキ♂♀、ルリビタキ♀タイプ、ミヤマホオジロ♂♀…など代表的な冬鳥に遭遇(カメラにはほとんど収めることは出来ませんでしたが)。

「今日はすごいね…」なんて言いながら、後半城山公園の薄暗くなったトレイルを走っていると…、藪から黒い鳥(暗いから黒く見える)が一斉に飛び立ちます。すごい数です。藪からこんな多くの鳥が現れるのは最初アトリかと思ったのですが、アトリよりは一回り大きく丸々しています。

木に止まったシルエットをよく見ると…そう、この後ろ髪はレンジャクですね!「ここにいたのか!」。最近アルプス公園でレンジャク狙いのカメラマンさんが三脚で大砲を構えて密になっているのですが(笑)、お隣の城山公園のお山を寝蔵にしているようですね。「ヒリヒリヒリ…」。控えめで優しい鈴鳴り。昨年松本城の宿り木で集団のレンジャクを初めて見た時は鳴き声を聞けなかったので、鳴き声を聞くのは初めて。

興奮冷めやらぬ中、トレイルを抜けて城山公園を出た辺りの道端に…、なにやらうごめく集団が…。またしてもレンジャク。先程山の中では暗くてよく見えませんでしたが、今回は開けていて肉眼でもよく分かります。

あそこで何やってんだぁ?…

近づいてみると何かついばんでいます。餌でもあるのかしら…

なんと!こんなところに湧き水が。ポコポコとけっこうな勢いで湧いていてきれいです。水を飲みに来ていたのですね。これは鳥たちにとってかなり良質な水場でしょう。一度散っていったレンジャクでしたが…

そんな不思議な水場をじっと眺めていたら、何を思ったか私の足元の水場に次々にレンジャクが飛んで戻ってきました。私を木か置物だと勘違いしたのでしょうか。警戒心が強い印象のあるレンジャクですが、なんてことでしょう。よく見ると尻尾が黄色いキレンジャクも2羽混じっています。いつもヒレンジャクばかりで、キレンジャクを見るのは初めてでした。ひっきりなしに足元にレンジャク達が飛んできます。まさにフィーバー。一生に一度きり?のレンジャク祭り。ちょっと夢のような一時でした。これはまたとないチャンス!と静止画から動画を撮ろうとした瞬間、相方さんが様子を見に近づいてきて一斉に足元のレンジャク達が飛び去ってしまいました、残念! この後またレンジャクが集まって来るかもしれないと、しばらく相方と二人で水場の前でじっとしていましたが、頭上の木に止まった数百羽の歌舞伎役者のような鋭い目のレンジャクにじっと睨まれて動かず…。彼らの水場を邪魔してしまって恨まれているような(汗)。彼らもまた水を飲みたかったようでしたが、今度は警戒しているようでした。そうこうしている内に、こちらが寒さで音を上げて退散しました。

薄暗い夕暮時で安コンデジだったので、ろくな写真が無くて、また明日にでも(仕事休んでw)城山公園に一眼レフ持って行きたいくらいですが、彼らも明るい日中は集団で他の水場や餌場を転々と移動するでしょうから、会えるとは限らないでしょう。
いずれにしろ、今日のジョギングはとても貴重な経験をさせてもらいました。

ちなみにアルプス公園のいつもの場所へ立ち寄ると、今日も夕方で雪と強風が吹きすさむ中にも関わらず、トラツグミがトラダンスをしていました。彼に出会うのが何より一番幸せな気分にさせてくれます。

芥子望主山へ登る途中、田溝池手前の池に2羽のミコアイサのメスが。パンダのようなオスは去年この池に同じシチュエーションで2羽いたのですが、なぜか今年はメスに取って代わっていました。オスはすぐ分かるのですが、メスは分からなかったので、家に帰ってから図鑑で調べました。めいいっぱいの望遠。すごく遠い場所の藪の開けた場所からカメラを構えただけでも、方向転換したり飛んだりして距離を取ろうとします。異常な警戒心の強さはオスと全く同じでした…(苦笑)。